- 川辺という自然を歩く  2014/05/25 09:01
梅雨入り前の皐月晴天。こんな日は神田川の川べりを上り、善福寺川ほとりの和田堀池、大宮八幡宮に歩みを進めるに如くはない。川辺の遊歩道は桜を号砲に一時百花斉放の感があったが、青葉繁れるこの季節は深緑...
- 父の背中―夏目坂  2014/05/17 05:17
地下鉄東西線・早稲田駅を降りて大学と反対側に向かうと「夏目坂」という坂がある。漱石・夏目金之助が生を享けた、牛込馬場下の名主、夏目家屋敷に因んでこう呼ばれた。坂下には今も「漱石生誕の地」の碑があ...
- 止まった時間の中で  2014/04/06 05:11
その男は、静かにゆっくりとした口調で言葉を噛みしめるように語りはじめた。中学時代の同級生である。社会人になった直後の同窓会以来だから、かれこれ三十年ぶりの再会となる。それ以降、私は東京の雑踏を忌...
- 風のない場所  2014/03/09 08:01
やはり、齢五十五にして資格試験への挑戦は、少し無謀だったのかもしれない。いくら学んでも記憶は脳から零れ落ちていく。なかなか成果も上がらない。しかし、出歩く機会の少ない冬場の学びは、何処か夜鍋仕事...
- 桃源郷があるならば―松本風土記 ②  2013/11/10 06:28
とりたてて理由があった訳ではない。遅い夏休みに選んだ10月初旬の松本では多くの学会が開催され、偶々松本入りをする最初の一日だけ、市内の宿が満室だったのだ。それでは、折角なので「足を延ばして」初秋の...